蒔 絵

京仏壇のできるまで-蒔絵

古くより塗料や接着剤として使われてきた漆で文様を描き、その上に金箔や銀箔を蒔いて図柄を表現してきたものを蒔絵といいます。漆は金箔や銀箔を固着させるのに最適です。また、適度な温度や湿度によって乾燥するので、時間をかけて文様を描くことができます。この漆の特性を生かして蒔絵の技法が生まれ、日本独自の美術工芸として発達し、洗練されてきたのです。金箔や銀箔には6種類ほどの形があり、それぞれに20段階もの粗さがあります。そして使用する粉によって、消し粉蒔絵、磨き粉蒔絵、研ぎ出し粉蒔絵、さらに高度な肉合(ししあい)蒔絵などの技法の種類があります。 たとえば紋を1個描くのに、細かい金箔を使う消し粉蒔絵なら、蒔いて乾燥させるだけの簡単な工程です。なお使用する粉の量も比較的少なく仕上がります。これに対して、粗い金粉を使う研ぎ出し粉蒔絵なら、蒔いた上から漆で塗り固めて木炭で研ぎださねばならず、使用する金粉の量は百数十倍。工程も時間が数十倍を要します。その分、同じ平蒔絵でも金の厚みが変わり、強さも重厚感も増すのです。このほかに立体感を出す高上げなどのさまざまな工程を加えると、紋一つの蒔絵にもまさに無限ともいえる表現ができ、この無限の表現技術を持つのが京蒔絵の特徴のひとつなのです。

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