仏具や仏壇を豪華に彩る錺金具には、構造上の必要性や本体を保護するためにつけられたものが装飾化したものと、純然たる装飾金物があります。錺金具には宝相華唐草が主でしたが、近代になって、牡丹、菊、蓮など様々な植物を文様化したものや、亀甲、七宝、綸子などの幾何紋様までが精細に加飾されており、日本独特の工芸技術として発達しました。錺金具には大別して、上記の紋様を銅版に線刻した「平金物」(毛彫)と透かし紋様を切り抜いた「透かし彫」、そして立体的に薄肉彫に仕上げた「地彫」の三種類があります。いずれの場合でも、洗練されたセンスとデリケートな技術が要求されます。また、錺金具を仏具や仏壇などの装飾として用いる場合は、本体との調和が最も大切になります。
蒔絵
古くより塗料や接着剤として使われてきた漆で文様を描き、その上に金箔や銀箔を蒔いて図柄を表現してきたものを蒔絵といいます。漆は金箔や銀箔を固着させるのに最適で...