古くより塗料や接着剤として使われてきた漆で文様を描き、その上に金箔や銀箔を蒔いて図柄を表現してきたものを蒔絵といいます。漆は金箔や銀箔を固着させるのに最適です。また、適度な温度や湿度によって乾燥するので、時間をかけて文様を描くことができます。この漆の特性を生かして蒔絵の技法が生まれ、日本独自の美術工芸として発達し、洗練されてきたのです。使用する粉によって、消し粉蒔絵、磨き粉蒔絵、研ぎ出し粉蒔絵、さらに高度な肉合(ししあい)蒔絵などの技法の種類があります。紋一つの蒔絵にもまさに無限ともいえる表現ができ、この無限の表現技術を持つのが京蒔絵の特徴のひとつです。
彩色
仏像仏具や寺院全体に施されている彩色には次の三種類があり、それぞれの特徴が あります。 極彩色は木彫に胡粉の下地をして何度も色を塗り重ねる重厚な味の出しやすい...