仏像彫刻

仏像彫刻の技法は、一木造りと寄木造りの二種類があります。彫刻の材料は檜・松・ 樟・框・白壇などが用いられます。一木造りは一本の木から仏像の全身を表現する 技法です。 又木材の大きさにも限界があり大きな仏像を彫像造するにはむいていませんが、木地 仕上げの仏像や香木の白壇材の小像を彫刻する時に適しています。寄木造りは、やは り大きな仏像を造るときに適した方法です。そしてこの技法は、藤原時代の大仏師、 定朝によって完成されたたいへん合理的な彫像法です。大きな仏像を造る場合、仏頭・ 胴体・両肩・膝の各部をそれぞれ別材によって用意し、これを木寄せすれば巨木を 用意する必要もなく、また像に内刳りを施す事により、像の干割を防ぐことができ、 その他多くの利点があります。又、信仰を対象とした仏像には儀軌という法則があり 、それを忠実にまもらねばなりません。現在も京仏師は平安の大仏師定朝を京仏師の 祖と敬い、仏像彫刻に励んでいます。