理事長挨拶 田中 雅一
京都は古の昔より、東寺・西寺に代表される宗教都市でした。今でも、多くの御宗派の御本山が京都に在り、日々御修行の道場として活動しておられます。
そこにはおのずから、法要に必要な仏具・法衣等を作り調え、お届けする業が発達してまいる必然性がありました。
仏具製作には、今でも大きく分けて木地師・彫刻師・仏像彫刻師・漆塗り師・蝋色師・金箔押師・蒔絵師・彩色師・表具師・錺金具師・鋳物師・彫金師等、工部組合の各部門の職人が専門職に徹して技術研鑽しております。
製作にあたってはまず商部組合の仏具店が、御本堂の寸法に合わせていかに御荘厳を整えるかを考えて御提案し、工部各部門の専門職が提案に基づいて工程をつくり、磨き抜かれた技をふるい、組み上げて、設置いたします。
御寺院の荘厳品につきましては、仏具店がそれぞれの製作過程すべてに関わり、要となってお手伝いさせていただくのです。
「京仏壇・京仏具」は、昭和51年に国の伝統的工芸品に指定され、伝統の技法を守り、さらなる技の研鑽を進めて、今も日本の仏壇・仏具業界のリーダーとしての役割を果たし続けております。
京都府仏具協同組合は1947年(昭和22年)5月に改組設立され、現在は、販売に関わる商部組合員約50社・ 製造に関わる工部組合員約130社の会員が加盟しております。
私達が仏具製作のために磨き抜いた知恵と技術は、寺院の仏具にとどまらず、一般御家庭の御仏壇仏具、さらには京都の伝統文化であります茶道・華道のお道具づくりにも受け継がれて、今日に至っていると申してよいのではないでしょうか。
平成18年より、特許庁が地域団体商標制度を導入し、「京仏壇」「京仏具」の商標は組合加入店のみ使用できることと成りました。これにより、お客様には安心してより良い技術の優れた御仏具をお買い求めいただける一つの目安が出来たわけでございます。
組合といたしましては、「京仏壇」「京仏具」の商標を皆様に認知していただけるよう努めてまいります。
近年、伝統の技法・材料を無視して製作された、安価な仏壇仏具が出回るようになりましたが、御仏壇は御先祖と御家族の心をつなぐ大切な空間、いわば「縁(えにし)の家」でございます。御先祖様を大事に守るお心にふさわしい御仏壇に、お参りいただけますようお願いいたします。
皆様におかれましては、今後とも伝統産業の発展のために御指導御鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げます。
合掌
平成24年5月
概要
名称 | 京都府仏具協同組合 |
代表者 | 理事長 田中 雅一 |
所在地 | 〒600-8216 京都市下京区西洞院通七条下る サンプレ京都ビル |
TEL | 075-341-2426 |
FAX | 075-343-2850 |
組合員数 | 156事業所(平成31年4月現在 156名) |
事業内容 | 後継者の育成や技術・技法の改善に関する事業 |
需要開拓や品質表示・消費者へのPRに関する事業 | |
福利厚生や親睦に関する事業 | |
見学会・講演会・機関紙発行に関する事業 | |
その他 | |
関連団体 | 一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会 |
全国伝統的工芸品仏壇仏具組合連合会 | |
京都商工会議所 | |
京都府中小企業団体中央会 | |
京都伝統工芸協議会 | |
京都伝統的工芸品指定産地連絡協議会 | |
京都伝統産業振興協会 | |
京都伝統産業青年会 |
沿革
戦前 | 神仏具統制組合が設立 |
昭和22年 | 京都府宗教用具商工協同組合が設立 |
昭和23年 | 金箔統制令の下で組合各部門の団結が図られ、業界の建て直しがなされた。 |
昭和32年 | 京都府仏具協同組合に改称 |
昭和51年 | 通産大臣より伝統的工芸品産業の産地指定を受ける。 |
昭和52年 | 通産大臣より伝統的工芸品産業の第1次振興計画の認定を受ける。 |