金箔
京都製の金箔押しは箔下用漆を塗られた板に縁付箔と申します手打ち金箔を押して仕上げてまいります。
他に金箔には断切箔と申します機械打ちでつくられた金箔もございます。
また、金箔に含まれる純金の純度により1号、2号、3号、4号などと等級も分かれております。
それらの組み合わせにより実際に目で見える金箔の艶や色目が異なります。
ここにある画像は断切箔と縁付箔でそれぞれ仕立てた金箔板でございます。
Aは艶のある板に断切箔を押したもの
Bは艶を抑えた箔下塗に断切金箔を押したもの
Cは艶を抑えた箔下塗に縁付金箔を押したもの
Dは『すりあげ』と申します表面を平らに整える工程作業を加えた箔下塗に縁付金箔を押したもの
この画像では色目が少し違うだけに見えます。
断付金箔は少し青みがあり明るくみえ、縁付箔は赤味のある金色に見えます。
この板にペンを写してみると・・・
Aははっきりとペンが映り込みしております。
B、C、Dはペンの影が映りこむ程度です。
京都では『重押』と申します映り込みの少ないCやDの艶で金箔押しを仕上げます。
あまり照りが強すぎない趣のある質感に仕上がります。
※画像で見るよりも実際に現品をご覧頂ければその違いは明らかにお判りいただけます。
是非とも組合店舗へご来店頂きご高覧下さい。
金粉蒔
金粉の蒔き方には大きくわけて2種類の蒔き方がございます。
ひとつは塗板に直接金粉を蒔く技法、もう一つは金箔の上に金粉を蒔く技法です。
金箔の上に金粉を蒔く技法を『ぬぐい』と呼んでいます。
左側の板は上半分が「ぬぐい」、下半分は「直粉」で蒔かれた金粉でございます。
「ぬぐい」の方が金箔の上に金粉を蒔くため赤味が増すのに対し、「直粉」は黒色の上に粉を蒔くのでややくすんだ金色となります。
また、下にある金粉板は金粉が擦れたりはがれたりすることを防ぐために表面に漆をすり、コーティングした板です。
表面を漆で覆うことで、強度が増しと同時に、色艶も変化致します。
※画像で見るよりも実際に現品をご覧頂ければその違いは明らかにお判りいただけます。
是非とも組合店舗へご来店頂きご高覧下さい。