蒔絵

スクリーン印刷

手描蒔絵の雰囲気ににせて印刷技術で仕上げる加工方法です。
色ごとに印刷を重ね合わせ図柄や色を表現します。
『蒔絵』とは字のごとく本来は金粉を蒔き図柄を描く技法であり、このような印刷技法で仕上げたものは本来の『蒔絵』ではございません。

〈京都府仏具協同組合の蒔絵表記はすべて専門職の蒔絵師が描いたもので、使用する金粉はすべて純金です〉

平消蒔絵(ひらけしまきえ)

図柄を漆で描いたあと数種類の金粉や貝、色漆で表現します。
手描き蒔絵の中では比較的短時間で制作できる技法です。

江戸高蒔絵(えどだかまきえ)

漆で図柄を盛上げむっくりと描いたあと、数種類の金粉や貝、色漆で表現します。
平消蒔絵よりも立体感が増し、図柄に奥行が生まれます。

平磨き蒔絵(ひらみがきまきえ)

図柄を描いたのち数種類の金粉や貝を使用し表現します。
平消しや江戸高と大きな違いは、金粉を蒔いた後に漆で固め、研ぎ磨き上げる作業をすることです。
純金粉の粒子が大きくなり工程が増え、これにより多彩な色や図柄を表現できるようになります。
この作業により表面は漆でコーティングされ擦れにくくなる利点もあります。

漆上げ磨き蒔絵(うるしあげみがきまきえ)

図柄を漆で盛り上げます。上から図柄を漆で描き、数種類の金粉や貝を使用し表現します。
漆で固めたあと研ぎ磨き、多彩な表現となります。
図柄を盛り上げることで平磨き蒔絵よりもさらに立体感のある図柄を表現することができます。
もちろん表面は漆でコーティングされています。

上絵研出蒔絵(うわえとぎだしまきえ)

図柄を漆で描き、磨き蒔絵よりもさらに粒子の大きな金粉を蒔きます。
その上を漆がはみ出さないように筆で塗り固めます。乾燥後、漆層から図柄を研ぎ出します。
漆の層から図柄を平滑に研ぎ出し、一層重厚感が増す仕上がり感となります。
もちろん表面は漆でコーティングされています。

付描高蒔絵(つけがきたかまきえ)

図柄を漆で盛り上げ、ただちに金粉を漆に沈むだけ沈めます。従って盛り上げの芯まで純金の技法です。
漆で固めて乾燥後研ぎ磨きを繰り返して図柄を完成させます。
純金粉のみで陰影や立体感を表現する技法です。
他の工法に比べ使用する金粉の量と作業日数を要する技法でもあります。