これからの終の棲家を考えます

昭和51年に国の伝統的工芸品産業に指定、各宗のご本山が多い美術工芸のまち
京都によって育まれた「京仏壇・京仏具」は心の安らぎを与えるよりどころとして、
その時代の新しい技術を取り入れて発展してまいりました。

京仏壇・仏具の起源

仏具は仏をまつる荘厳用具として、民衆の生活、習慣に支えられて発達してきたものであり、その製作は多くの工芸技法を結集した総合工芸。  

京都における仏具の製造は、平安仏教を特色づけた最澄、空海の時代からであろうと推定されますが、やはり11世紀はじめごろ仏師定朝の「七条仏所」創設によって、本格的な仏具製造の基礎を固めたものと考えられます。 当時七条は鋳物師、鍛冶、金銀細工師などの集住地であったと「新猿楽記」に記されおり、金属仏具との関連性を見いだすことができます。

これらの仏像や仏具は専ら寺院用で、家庭用仏壇は厨子の変化によるものと思われますが、江戸初期の宗門改め制度によって各家庭に普及し、その需要が増大。このような起源をもつ京仏壇・京仏具はそれぞれの製造過程が分業で、工程を異にしながらも、お互いの関連性において固く結ばれ、総合工芸としての本領を発揮しつつ、今日まで発展を続けてきました。